The 13th Anniversary of 3.11 (その2)
東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所事故から13周年となった昨日、ネットでは当時を振り返る発言も散見されましたが、残念ながらそんな過去を完全に忘れ去っているとしか思えないような残念な発言もちらほら見かけました。
かくいう私も偉そうなことは言えず、昨日の勤務時間中は3.11のことを完全に忘れるくらいには、仕事で追い詰められていました。
さて、そんな中、昨日はまさに3.11を振り返るのに相応しい、まさに全日本人必読の記事が公開されました。
東日本大震災発生当時首相だった菅直人氏のインタビュー記事です。
一部では悪夢の民主党などとレッテルを貼られている当時の民主党政権ですが、東日本大震災における対応について、むしろ今の自民党政権こそ民主党を見習うべきであるということをこれでもかと見せつけられた思いです。
1986年に発生した当時世界最悪だったチェルノブイリ原発事故をもしのぐ、まさに最悪の原発事故となった東京電力福島第一原子力発電所事故ですが、アレが発生したあと、しばらくは、本当に東日本が壊滅してしまうのではと恐れおののいていました。
幸いにして、壊滅こそ免れていますが、それでも原発事故後いまだに故郷に帰れない人たちだっていますし、そもそも、13年前に初めて出された「原子力緊急事態宣言」はいまだに解除されていません。
西日本新聞の社説も併せてお読みください。
自分などは、民主党政権の震災対応と言われて真っ先に思い浮かぶのが、当時の枝野幸男官房長官。数日間ほとんど寝ずに対応に当たっていて、Twitterでは「 #edano_nero 」( #枝野寝ろ )とまで言われていたことは、海外メディアでも報じられたほどです。
しかしもちろん動いていたのは枝野氏だけではなく、インタビュー記事では、菅直人首相ご本人はもちろん、北澤防衛相、福山官房副長官等々の名前も挙がっています。
インタビュー記事中で、今更ながらに特に衝撃的だったこととして、当時の菅直人政権では「東京からの国民の避難」も視野に入れられていたことを挙げられます。
先述の通り、素人感覚としては「東日本はダメかもしれない」と思っていましたが、いざ政府がそれを実行するとなると、それこそ大混乱必至だったと思います。そういえば、当時は天皇の京都避難も検討されていたように記憶しています。結局「東京からの国民の避難」というシナリオは避けられましたが、それが「政府が何もしなかったから」ではなく「政府が熟慮と対応を重ねた上での判断」とわかったことに、安堵を覚えました。
東日本大震災の時は、自衛隊の活躍もめざましいものがありました。それ故に、一部では「自衛隊を災害救助隊にせよ」などと言う声も上がっているようですが(苦笑)。その自衛隊にしても、闇雲に派遣したのではなく、自衛隊の能力を把握した上での対応だったことにも、今更ながら驚かされました。
それに、自衛隊は戦争という最大の危機に備える組織。飛行機でもヘリコプターでも自動車でも、大規模災害に即応できるさまざまな移動手段や装備を持っています。
インタビューは今年元日に発生した「令和6年能登半島地震」についても言及されています。
菅直人氏も慎重に言葉を選んだ上での発言だと思いますが、やはり言葉の端々からも、今の岸田政権の対応は及第点には遠くおよばないということを改めて認識させられます。
市民運動出身の首相ということだけあって、また、東電原発事故の時にまさに首相だったこともあり、原発政策に対する菅直人氏の考えは明快です。
私の結論は非常にはっきりしています。原発に依存するのは諦めるべきです。
先述の通り、13年前の原発事故の時に出された緊急事態宣言はいまだに解除されていません。それにもかかわらず今後も原発に依存してゆこうという考えのほうが、自分には理解出来ません。菅直人氏も言うように、原発に依存するのはあきらめるべきなのです。
自民党が災害にかこつけて憲法にねじ込もうとしている「緊急事態条項」についてもバッサリ。
――その割に自民党は「憲法に緊急事態条項を盛り込め」などと主張しています。
逆なんですよ。危機管理のために必要な準備を整えることと、単に格好をつけることがごっちゃになっている。危機の時に何をやっていいか分からないから、あんなことを言うのではないでしょうか。
そもそも「緊急事態条項」は「緊急事態宣言」ともまた別の代物であり、要は「緊急事態」の時に憲法の枠組みを超えて政府に権限を集中させるものです。
能登半島地震の時に正月休みということを考慮しても初動の遅すぎた現政権にそもそもそんなことを言う資格もないのですが、出来ればインタビュー内でも、「緊急事態条項」がいかに危険なものであるのかについて触れて欲しかったと思います。 もし今年の元日時点で、13年前に東日本大震災に直接対応していたメンバー、つまり今の立憲民主党が政権の座についていたならば、間違いなく能登の復興は今よりもはるかに進んでいたはずです。それを考えても、国民を守る気も救う気も無い自民党政権を永久に下野させるべきなのです。
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