【「げむ鯖 Advent Calendar 2022」特別寄稿】「PS5等の転売行為に関する私的考察」

本記事は、「げむ鯖 Advent Calendar 2022」3日目の記事です。


 今日は12月3日。1994年に初代PlayStationが発売されてから、丁度28年となります。

 現行最新のPlayStationは「PlayStation 5」。2020年11月12日(木)に登場したものの、世界的な半導体不足や転売屋の横行などにより、発売から優に2年を経過している現在でもなお、入手困難な状況が続いています。

 販売店側としても、転売対策をせざるを得ない状況で、購入条件に制限を設ける店舗や、入荷情報を一切公表せずにゲリラ販売する店舗もあります。

 そんな中、本年8月25日に世界の一部地域と国において、PlayStation 5本体の値上げがなされました。日本でも9月25日より値上げが適用されてしまいました。これにより購入意欲を削がれてしまった人もいるのではなかろうかと思われます。

 私は2021年1月に入手できたものの、残念ながらPlayStation 5ならではという遊び方をできておらず、少々もったいない気分になっております。

 今回は、そんなPlayStation 5を初めとしたゲーム機の転売行為について、少し考えてみたいと思います。


PS5は欲しい人の手に届いているか?

 2022年11月6日(日)深夜より、2カ所のSNSにおいて、次のアンケートを採らせていただきました。

 その結果、次のようになりました。

 Twitter、Mastodonともに「持っていないし興味もない」が最多となりましたが、それ以外についても順位は同じ。

 こちらの予想よりも少なかったとはいえ、「購入をあきらめた」という回答もいくつかあり、改めて、本当に欲しい人の手にPS5が届いていないということが浮き彫りになりました。「持っていないが購入したい」も合わせると、Twitterで35%、Mastodonでも22%が「欲しいけどPS5を手に入れられない」状況であります。

 これは本来あるべきニーズを取りこぼしているということです。それに対してゲームハードメーカーが本気で対策を講じているようには見えないというのが、極めて残念でなりません。

昨今のゲーマーのメイン・プラットフォームは?

 昨今、PCゲーム市場の規模が拡大しているなどという話も聞くようになりました。

 日本国内でも、PCゲーム市場がこの3年間で約2倍に拡大したとの話もあります。

 この記事の中でも、2020年以降のコロナ禍や、PS5供給不足について指摘されています。

 トト博士は、日本でのPCゲーム市場成長の背景として、コロナ禍によりゲームユーザー全体の裾野が広がったこと、PS5の供給不足により、一部のコアゲーマーがPCでハイエンドタイトルをプレイするようになったことなど、いくつかの要素を挙げている。

 前述の個人アンケートだけでも、PS5へのニーズの取りこぼしが浮き彫りになっていますが、それがよりはっきりとわかる指摘になっています。

 私の方でも、2022年11月9日(水)より、次のアンケートを採ってみました。

 その結果、次のようになりました。

 こちらは、TwitterとMastodonで大きく異なる結果となりました。

 Twitterでは回答数そのものが5と少なかったのですが、PCとスマートフォンが同率1位となりました。ゲーム専用機と回答した方は1名しかいません。

 Mastodonでは75%がゲーム専用機を最も利用すると回答していて、PCは1名。スマートフォンを主に使うと答えた方のほうがPCよりも多かったのが印象的です。

 かくいう私も、ゲームをプレイするときはもっぱらゲーム専用機で、スマートフォンではまずゲームはせず、PCもRPGツクール製以外のゲームにはまず手を出しません。

 逆に言えば、PS5やSwitchの供給不足もあり、今後もPCゲーム市場の成長の伸びしろは充分あると言えるでしょう。この意味でも、ゲームハードメーカーにはもっと危機感を持ってほしいものです。

転売屋は「ニーズ」をつかんでいるのか?

 今回はさらにもう1回アンケートを採っております。

 2022年11月13日(日)より、次のアンケートを採っておりました。

 その結果、次のようになりました。

 ここでどちらも「ない」が100%になってくれれば美しかったのですが、残念ながらMastodonでは1名だけ「複数回ある」と回答した方がいらっしゃいます。

 そこで転売屋からものを買ってしまう人がいるからこそ、転売屋が湧いてくるわけなので、消費者としても連中からは決してものを買わないということを徹底しない限り、転売問題が終わることはありません。

 そして転売行為を働くものに倫理などありません。転売問題を解決するためには、連中を社会的に抹殺するほかはないのです。

ゲームコンソールの復権なるか?

 PS5の購入をあきらめている人がそれなりにいることや、ゲーム専用機を使わないPCゲーム市場が伸びつつあること、SIEに限らずゲームハードメーカー、ソフトメーカーはもっと危機感を持った方がいいです。

 また、PS5のみならず、既に発売から5年以上経過しているNintendo Switchもいまだに入手困難な状況が続いています。

 私の知る限り、ゲーム機の転売対策はもっぱら販売店に任されているようにしか思えず、ハードメーカーが何か転売対策をしたという話を、少なくとも私は知りません。

 このままでは、コアなゲーマーほどPCゲームに移ってしまうのは目に見えています。ゲーム専用機と違って転売行為はまず起きませんし、金に糸目を付けなければいくらでも高性能なゲーム環境を構築できるわけですしね。

 販売店に丸投げするのではなく、ゲーム業界そのものも転売対策をちゃんととるべきだと思いますし、法律の整備もしてほしい物です。

業界や社会を巻き込んだ転売対策を!

ハードメーカーの場合

 ある意味、転売行為で最も深手を負うのがハードメーカーのはずなのですが、いまだにハードメーカーが転売対策をしているという話を私は知りません。

 個人消費者向けの販売の場合、少なくとも下記に該当することぐらいはやってくれないと、本当に欲しい人の元にゲーム機を届けることなんて永久に無理でしょう。

販売店の場合

 個人的には、ヨドバシカメラがおこなっているように、販売店系列のクレジットカード所有者でかつ当該クレジットカード決済による購入の場合に限り販売する、という手がよいのではとは思います。

 ただし、これだと何らかの理由でクレジットカードを作れない人の購入もできなくなりますので、購入制限しつつ欲しい人の手に届くようにするためには、それ以外の方法を検討する必要があります。

 例えば、「ハードメーカーの場合」で述べたように、購入時に購入者の身分証明を要求し、メーカーが個人情報と購入したハードウェアのシリアル番号を管理するという方法ではダメでしょうか? 組織的に動いている転売屋の動きを封じるためには、購入者がちゃんとした人間であることを証明させる必要があると思います。

 この点では、むしろ街中の個人商店クラスのゲーム店のほうがやりやすいかも知れませんね。顔なじみの常連さんに優先的に販売すればよいわけですから。

 問題は転売行為の温床になっているネット通販で、これについては運営側も対策をとる気などさらさらないでしょうから、法律の出番になります。

法による規制は可能か?

 と言いつつ、法律ド素人の私には、今なおおこなわれているゲーム機等の転売行為を法で規制できるのか、できない場合はできるような立法が可能であるのかどうかについては、まるでわかりません。

 これについては識者のご意見を頂戴したいところですが、できることならば、通常の販売方法には何ら影響を与えない形で転売行為だけ規制できればよいと思います。

 あとは、消費者にも、転売行為を助長しているネット通販では(転売対象品と無関係なものも含めて)一切買い物しない、というぐらいの知恵は付けて欲しいと思います。「俺には関係ない」という考えが、世の中全体を地獄にしていると思います。

結局のところ

 結局のところ、メーカーから我々消費者に至るまで全体の意識改革が不可欠とは思うのですが、残念ながらほとんど不可能な話です。特に消費者は(自分含め)目先のことにとらわれてしまい、自分が大損しなければ多少の悪事には目をつむるというよくない傾向にありますので、本来であればそんな歪んだ神経をたたき直す必要があるのです。

 それが無理な状況なので、結局トップダウンで変えてゆくしかないのです。

 少なくともハードメーカーには、ここで転売対策をしないと業界全体が潰れるという危機感で以て、転売対策をして欲しいと思います。販売店任せでは限度があります。

 以上、一度ゲーム業界に愛想を尽かして戻ってきた経験のあるライトゲーマーのぼやきでした。

発売2年経過後も購入制限が解除されないPlayStation 5

#2022年 #2022年12月 #2022年12月3日 #投票 #アンケート #Twitter #Mastodon #マストドン #SNS #分散型SNS #Fediverse #gamingjp #AdventCalendar #PS5 #PlayStation #NintendoSwitch #ゲーム