【政治】やはり枝野幸男氏こそ立憲民主党代表に相応しい

昨日、枝野幸男氏のサイトにおいて、「枝野VISION 2024」が発表されました。

 YouTube動画については私はまだ閲覧していません。しかし、主要政策については枝野幸男氏のサイトにも記載されています。

 個人的には、今の立憲民主党のあり方には大きな危機感を抱いております。泉健太氏が代表に就いて以来、立憲民主党の右傾化が進み、それを理由に支持をやめた人を、自分の観測範囲だけでも何名も確認しています。なお、私が敢えて党員になったのは現行の泉路線を支持するからではなくむしろその逆で、代表選挙の選挙権を得て立憲民主党を右傾化させた連中を落とすためという意味合いが大きいです。

 枝野幸男氏が来月予定の立憲民主党代表選挙に出馬してくれたことは、私のように枝野氏が命がけで結党した当初からの立憲民主党の支持者にとってはまさに一筋の光明です。絶対に、枝野幸男氏を再び立憲民主党の代表に押し上げなければなりません。ただでさえ日本の政界のパワーバランスは歪みきっているのですから、それを是正するためには、もう一度野党第一党が原点に立ち返る必要があるのです。

#枝野もう一度立て

 #枝野もう一度立て ! そして、日本に真の民主主義を!


 では、「枝野VISION 2024」について、自分なりに少し見て行こうと思います。

ヒューマンエコノミクス「人間中心の経済」を実現する8つの政策

 これだけではピンときません。具体的に中身を見てまいりましょう。

01.人の可能性を拓く投資

 まず一番目に、「人」の可能性に対する惜しみない投資を述べられています。

 この中でも5つの柱があり、どれもないがしろにできないものですが、特に個人的に実現してほしいものは、次の2つです(もちろんそのほかについても実現して欲しいことは言うまでもないが)。

 海外では、大学授業料が無償あるいは安価であるところも珍しくありません。日本の場合は、私が学生だった1990年代中頃の国公立大学ですらウチのような低所得層にとっては大きな負担だったのですが、現状は当時の比ではないくらいに学費が高騰しています。

 また、枝野氏はここで「セーフティーネット」という言葉を使っています。憲法でも一応職業選択の自由は謳われているのですが、実際は学校を卒業して社会に出てしまうと、そのあと仕事を変えることは難しく、特に業界そのものを乗り換えることは困難を極めます。自分がある仕事に向いていないと気づいた頃には既に手遅れで、学び直しをしようとするとそれまでの収入を取り戻すことはほぼ不可能です。

 しかし、学び直し、仕事を選び直しても生活が保障されるように、安心して真の職業選択の自由を享受出来る社会にしないことには、人の可能性も国の可能性も伸びません。

 税金を使うならば、軍事費よりも教育や福祉に使うべきなのです。もしそうなっているならば、消費税増税でも今ほど文句を言う人は少なかったはずです。

02.地域経済を活かす投資

 自称現実主義者の皆さん、真の現実主義とはこういうことを言うのです。

「自然エネルギー立国」を目指し、広域連係系統の強化や、住宅用太陽光発電設備と蓄電池の大幅導入をはじめとした省エネ・再エネに対する大規模投資を進めて、250万人規模の雇用創出と、年間50兆円の経済効果を実現する。

 自然エネルギーの推進は単に環境だけの問題ではなく、雇用や経済効果をも生み出します。

 何故この国がいまだに原発や核融合に固執するのか、全く以て理解出来ません。そもそも核燃料なんて100%輸入に頼っているわけですしね。

 残念ながら国力低下が顕在化している今だからこそ、国内で調達出来るエネルギーは積極的に利用しなければなりません。

 同じ項目で述べられている食糧安全保障もしかり。まさに現在、米不足が深刻化していますが、項目内で触れられている「農業者戸別所得補償制度」のほか、農家そのものを国や地域で育てる仕組みも必要なのではと思います。その点では「01」との関わりも密接です。

03.国民所得の底上げ

 我々国民に最も直接的に影響するのが国民所得の底上げ。

手取り収入の伸び悩みが、国内需要を低迷させ、市場全体を縮こませている。賃金の低迷と雇用の不安定性こそが、経済低迷の最大要因だ。

 伸び悩みどころか収入が減っている人もいます。特に個人事業主の場合は、昨年10月に強行されたインボイス制度のせいで、さらに苦しい立場に追いやられています。

 そのように苦境に喘いでいる国民に対して現政権ではろくに救済措置を執らず、一時的な「減税」だけでごまかしながら人気取りをしようとしているのも許しがたいことです。

 こちらについてもリストアップされていることはすべて実施して欲しいのですが、特に実施して欲しいのは下記2点。

 どういうわけか、この国では、社会がどうなろうともなくてはならない職業ほど待遇が悪い傾向にあります。保育・学童・介護・医療分野なんて、どれも本来であれば大企業レベルの待遇が保障されてしかるべきだと思うのですけどね。

 また、賃金を上げなさい待遇を改善しなさいと言っても、中小零細企業などは体力的に厳しいと思いますので、それらに対する公的支援もあってしかるべき。消費税導入前、日本において法人税の割合が高かった頃は、税金を取られるくらいならば従業員の待遇に回そうと考えた企業も多かったそうですが、ちゃんと従業員の待遇改善に繋がる施策をすることで、国民所得の底上げと分厚い中間層の復活を期待出来ます。これは回り回って日本経済全般の活性化にも繋がるはずです。

04.支えあう社会制度の拡充

 枝野氏は前々から消費税廃止に対しては否定的な見解を取っています。個人的にこれだけは枝野氏に賛同しかねる点なのですが、枝野氏も単に消費税がいいと言っているわけではなく、ちゃんと累進制を担保しようとしているのはわかります。

消費税5%分の戻し減税策として、無収入層から中間層までの幅広い国民を対象に、給付と控除を組み合わせた還付制度(給付付き税額控除)を創設する。

 確か2020年の党大会の時にも、これに近い話を枝野氏はしていたと思います。いったんは消費税を取るけど所得に応じて戻すというものです。ただ、そんな面倒くさいことをするならばやっぱり消費税は廃止の法がいいと思うんですけどね…。

 消費税関連以外については私も枝野氏の主張に異論はありません。特に所得税等の各種税金の累進制の強化については図って欲しい。現状では消費税に限らず、何故か富裕層ほど税負担が軽くなるからくりがあるそうですので、そういったものはすべて取っ払って、公平公正に近づけて欲しいですね。いっそのこと、「富裕層のカタログ通販」と化しているふるさと納税に対しても大幅に制限を掛けるべきですね。

05.個人の選択肢の拡大

 SNSでも最近ホットな話題がジェンダーや多様性に関する問題です。

 項目で挙げられている中でも、「離婚後共同親権」の見直しどころか完全撤廃なんて真っ先にすべきことですし、選択的夫婦別姓についても推進すべき。

 また、項目の最後で述べられている「包括的差別禁止法」についてはどの範囲の話をしているのかここではつかめませんが、何度も死亡事故、というか実質的な殺人事件が起きている入管問題に根本からメスを入れるような制度にすべきです。

 そのほかについても、正直自分にはいまいちピンときていませんが当事者にとっては切実な問題となる項目もあると思います。

06.現実的な外交・安全保障

 やたらと「日米同盟」が強調されているところに若干引っかかりを覚えるものの、日米地位協定見直しに言及している点については評価出来ます。これ、特に沖縄にとっては深刻な問題であり、日米地位協定見直しは国益のためには避けて通れません。

 項目内で触れられている自衛官の処遇・待遇の底上げについても、米軍の二軍となって戦争に参加させられてしまう現状を打破しないことには、いくら底上げしたところで人は集まらないと思います。今一度、専守防衛の原点に立ち返る必要があるのではと思います。

 あと、戦争、防衛以外の外交に関するビジョンが見えてこないのは残念です。そこに対する言及はもっと欲しかった。

07.災害・危機に機能する政府

 枝野幸男氏は、2011年の東日本大震災のと期間膨張感でした。数日間ほとんど寝ずに対応していたことから、Twitterなどでは「 #edano_nero ( #枝野寝ろ )」というハッシュタグが流行り、海外でもそれが報じられたほどです。

 それ故に、災害対策が急務であることは、まさに肌で感じていることだと思います。

 これも挙げられている項目すべて実施すべき。なお、この中に、自民党が憲法に捻じ込もうとしている「緊急事態条項」などというキーワードは一言も出てきません。そんな条項がなくても「緊急事態」には対応出来るのと、「緊急事態条項」そのものが政府への権限集中による民主主義の完全否定に繋がるからです。

 むしろ、「危機管理・防災局」の項目で述べられているように、「国の責任を明確化」しようとしているわけですしね。

 備蓄についても洋上設備についてもそう。また、避難所については、特に昨今のような情勢では女性の視点は絶対不可欠。男性中心では絶対に出てこないような要改善点が次々と出てくることでしょうから。

08.民主主義のアップデート

 最後に「民主主義のアップデート」という項目が出てきましたが、その前の7項目についても日本の民主主義になくてはならない重要項目ばかりです。

 この項目は、日本の国民の主権に関わることを中心に述べられています。情報公開しかり、学術会議の独立性強化しかり。

 与党支持者も大好きなはずの「表現の自由」の強化も、ここでは盛り込まれています。もちろん学問の自由も。

 4つある項目の中には入っていないものの、前文で

多様化する民意を幅広く反映させるため、投票率を引き上げ、死票を少なくする方向で選挙制度についての検討を進める。

と述べられていることから、現在の衆議院議員選挙で導入されている小選挙区制の見直しについては大いに期待出来ると思われます。参議院議員選挙のように中選挙区制にしてしまっても特に問題がない、というよりむしろそのほうがいいと思います。

最後に

 若干個人的に同意出来ない点がないわけではないものの、それでも、全般的に見てやはり枝野幸男氏こそが野党第一党の、そして政権交代後の首相に相応しい人物であることについては、再確認出来たと思っています。

 立憲民主党のこれ以上の右傾化を食い止め、ほかの護憲野党との関係を修復、改善し、そして政権交代に期待する層の受け皿となるように立憲民主党を立て直してくれることを、枝野氏には期待したいです。

 私は、代表選挙では枝野幸男氏に投票します。

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