【「げむ鯖 Advent Calendar 2022」特別寄稿】「拙作ゲームの過去作品と今後の制作活動について」

本記事は、「げむ鯖 Advent Calendar 2022」12日目の記事です。

なお、「げむ鯖」とは、分散型SNS「Mastodon」によって運営されているゲーム好きが集まるコミュニティ「gamingjp.org」のことです。


 私・テルミナ™は、趣味で自作ゲームを制作することもあります。「RPGツクール」歴は7年に上ります。

 私が過去に制作したゲームは5作品(リメイクを別作品として扱うと7作品)に上ります。

 まずはこれらについての紹介をおこない、その中から本年5月28日に公開した拙作ゲーム第5弾『ROUGOKU』を中心に、制作秘話について語ろうと思います。

 さらに、今後の制作活動についても触れてゆきます。



作品紹介

 私が過去に公開した作品は、公開順に次のとおりとなります。

 これらのうち、現在公開中の作品につきましては、すべて「Telmina Project」にて公開しております。

制作秘話

『ROUGOKU』の制作秘話

ROUGOKU

 本年5月28日に公開した拙作ゲーム第5弾『ROUGOKU』は、前年7月頃から構想を練り始めていたものの、かなり制作スケジュールに余裕を持たせていたにもかかわらず、難産の末にようやく世に送り出すことができた作品でした。

定まらず着地にも失敗した構想

 拙作ゲーム第5弾となるこの作品は、初めからRPGにすることだけは決めていたものの、作品の方向性がなかなか決まりませんでした。

 個人的にはローグライクな作品を作ってみたいと思っておりました。より正確には、ローグとウィザードリィとメトロイドヴァニアを足して3で割ったような作品を作りたかったのです。

 しかし、実際に『ROUGOKU』で遊んでいただいた方であればわかると思いますが、見事にその構想は破綻してしまいました。ローグっぽいのはランダムダンジョンぐらい、ウィザードリィっぽいのは拠点の商人ぐらい、メトロイドヴァニアに至ってはそんな要素どこにもありません。

いちおうランダムに生成される「ROUGOKU」のダンジョンだが…

世界観自体は拙作の他作品(第2弾除く)と繋がっている

 拙作ゲームをくまなく遊んでいる方であれば、登場人物の中に他作品に出演していた人物がいることに気がついたことでしょう。

 物語の中では多くを語っていませんが、『ROUGOKU』の物語は、拙作ゲーム第1弾『The Last Wizard』の6年後という設定です。

 さらに言いますと、第3弾『The Devil War -魔王戦争-』の23年後、(物語の関連性は皆無だが)第4弾『Maid vs Vampire』の5年半後という位置づけです。

 その中で、第1弾と第3弾に登場し、第3弾では主役および準主役となった伝説の英雄の夫妻が、『ROUGOKU』ではちょい役として登場しています。否、妻のほうはある意味重要な役目も担っていますが。

「ROUGOKU」では、拙作ゲーム過去作品の登場人物も出演。 (1)

「ROUGOKU」では、拙作ゲーム過去作品の登場人物も出演。 (2)

 さらに、ゲーム進行状況によっては、第1弾リメイク版『The Last Wizard Complete Edition』のサブクエストに登場するとある人物も登場します。さらにその人物が登場した状態でエンディングを迎えると、第1弾リメイク版のサブクエストに登場した別の人物が出る一幕もあります。

 あと、『ROUGOKU』の主要登場人物のうち、商人と修道女の名字には実は元ネタがあります。あまり多くを語るわけにはゆきませんが、元ネタに気づいた方がいらっしゃるようであれば、ニヤニヤしてください(ぉぃ)。

「ROUGOKU」に登場する商人。

「ROUGOKU」に登場する修道女。

私は「自分のゲーム」を作りたかった

 『ROUGOKU』では、拙作ゲームにおいて、複数の方によりテストプレイしていただいた実質的に初めての作品でした。

 お名前は伏せておきますが、クレジットに掲載していない方も含めて、3名の方にテストプレイに参加していただきました。

 ところが、残念なことに、当初たくさんご意見をいただけたとある方が、ゲーム中盤頃から全くテストプレイにご協力いただけなくなり、そのままフェイドアウトしてしまいました。

 その方からも指摘があったとおり、自分はあまり他人様が制作したフリーゲームをプレイしていません。故に「今時の」フリーゲームのトレンドをろくに知らなかったのは事実です。

 しかし、トレンドを知ってしまうことにより、逆に自分が本当に作りたいゲームを作ることが出来なくなってしまうのではという懸念があり、意図的にそのようなスタイルを執っておりました。

 残念ながら、そのような私の方針は、その方には受け入れられなかったようです。

 その一方で、ほぼ全編通してじっくりやりこんで最後までお付き合いいただいた方もいらっしゃいます。その方からは、ゲーム本編公開後も本作品に対してたびたび好意的な意見を頂戴しており、自分にとってだいぶ精神的に助けられました。

 個人的には、やはり八方美人的にトレンドを追っかけても、自分の作りたい作品には近づけないと思います。他人にゲームを受け入れられることが売上に直結する商業ゲームメーカーではないのですから、まずは自分が作りたい作品を作りたいと思います。それが他者に受け入れられ、評価していただければ、また新たなアイディアにも繋がることですし。

初めて本格的にBGM作曲に挑戦してみたものの…

 『ROUGOKU』では、拙作ゲームにおいて初めて本格的にBGMの自作に挑戦してみました。

 そのときに用いた音楽制作ソフトは、『KORG Gadget for Nintendo Switch』です。ゲーム音楽との相性の良さそうなガジェットが豊富にありますので、作曲法も音楽理論も知らない自分にとっても扱いやすいソフトだと思います。

KORG Gadget for Nintendo Switch

 とはいえ、実際に自分が作曲したBGMは3曲のみで、大半はRPGツクールに同梱されている楽曲や、有償または無償でインターネット上に公開されている音楽素材を活用させていただきました。

 この作品のために自力で作曲した3曲のBGMにも、それぞれエピソードがあります。

過去作品の制作秘話を少しだけ

The Last Wizard

 2016年5月に公開した作品の元となった構想は、その20年前、私が大学生だったときに既にあり、当時スーパーファミコンで発売された「RPGツクール2」にて完成間近の状態まで作り込んでいた。

 当時作っていたものからシナリオもマップもシステムもだいぶ変わったが、20年前の構想があったからこそ、この作品を世に送り出すことができた。

 なお、拙作ゲームの中で唯一、とあるゲームコンテストで入賞したことがある。

Escape from the Eccentric

 本作品を公開した2016年当時の知り合いから、脱出ゲームを作りたいという話があり、実は脱出ゲームの何たるかをわかっていなかった自分は「屋敷から脱出するための探索型ゲーム」と勝手に思い込み、本作品の制作に至った。

 RPGツクールで作っていながらRPGにはならなかったが、本作のシステムもシナリオも個人的には気に入っていたものの、大人の事情(主にかつての知り合いとの人間関係のもつれ)により本作品は封印せざるを得なくなった。

 なお、そのときの苦い経験が、拙作ゲーム第4弾『Maid vs Vampire』の制作に通じることとなった。

 余談だが、本作品の制作秘話については、こちらも参考にされたし。ゲーム制作のノウハウも詰まっている。

The Devil War -魔王戦争-

 拙作ゲーム第1弾『The Last Wizard』の17年前の話で、その作品の中でも語られている「魔王戦争」をテーマにした作品。

 ニンテンドー3DS用ソフト「RPGツクールフェス」向けに1本作品を作ろうとしたときに、そんなに長編にもならないだろうということで、「魔王戦争」の話を作品にすることにした。

 しかし、フィールドマップはほぼ『The Last Wizard』の流用で、登場人物の多くもそれと繋がりのある人物だから、制作は楽勝だろうと思っていたらとんでもない。「RPGツクールフェス」側の制約が思っていた以上に厳しく、限られた容量の中でいかにやりくりするのかに苦労した。ファミコン時代、特に最初期の頃のゲーム制作はさらに大変だったんだろうなぁ。

 なお、本作に登場し、ゲーム終盤に入る直前にシナリオの都合により強制的に死亡してしまう弓使いの少女については、当初の構想にはなかった人物だが、「RPGツクールフェス」のキャラクターグラフィックの中に弓使いの白ホットパンツ女子の絵があり、それをどうしても使いたかったために急遽設定することとなった。あと、ヒロインがメガネっ娘になったのもメガネっ娘のグラフィックがあったから。

Maid vs Vampire

 先述の第2弾『Escape from the Eccentric』を大人の事情により公開終了にせざるを得なくなったことを受けての制作。

 しかし、ゲームの動作が重すぎることをテストプレイヤー様から指摘され、軽量化を図るのに苦労した作品。第2弾ではマップを100個以上のエリアに区切っていたのだが、第4弾では同じフロアについては原則として1枚絵にしたために、第2弾と同じような演出をできなくなってしまった。しかし動作が重いという指摘は自分が作っているだけではなかなか気づかない。自分の制作環境のPCはCore i7でメモリも(当時)32GB積んでいたのだが、i3やi5などの環境だと自分の想像以上に重くなってしまったようだ…。

 余談だが、本作品の制作秘話については、こちらも参考にされたし。そういえばこの作品、Mac対応でなぜかえらく苦労させられたんだよなぁ…。

今後の制作活動について

 拙作ゲーム第5弾『ROUGOKU』公開後、こちらのゲーム制作活動は完全に停止している状態です。

 なお、第6弾の構想については、現時点においても完全に白紙です。対応プラットフォームさえ未定という状態です。

 いつかはまたゲーム制作活動を再開させたいとは考えておりますが、『ROUGOKU』の公開で燃え尽きてしまいましたので、活動再開時期についても完全に未定です。

 せっかく、ゲーム制作環境もあるし(当人に能力があるのかどうかはともかく)作曲環境もあるのに、自分でももったいないと思います。とはいえ、制作のためのモチベーションが全く湧いてこないのはどうしようもありません。アイディアとやる気が出て、なおかつ制作のための時間を取ることが出来るまでは、ゲーム制作については一切考えないつもりです。

 なお、現在公開中の作品につきましては、下記のサイトから入手可能です。ご興味のある方は是非ともプレイしてみてください。

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