渡り鳥よ、どこへゆく?

大手SNS「Twitter」が現行体制に移行し、システム面および運用面での改悪が相次ぐようになってから、これまで他のSNSへの移住に及び腰だった人の脱Twitterが加速しています。

 とはいえ、個人的には全く歓迎出来ないメタ社のThreadsが登場するまでは、中小規模のSNSが林立する状況であり、Threadsがサービスインしたあとも別に中小規模のSNSが淘汰されたわけではありません。どこが「ポストTwitter」となるのかは、まだ読めない状況です。

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やはり日本の官公庁や企業はFediverseに参加すべきではあるのだが…

 先日私は、「日本の官公庁や企業もFediverseに参加せよ」などと申し上げておりましたが、残念ながらMastodon等の分散型SNS(Fediverse)でその手のアカウントが増えたという話を、少なくとも私は聞いた記憶がありません。

 恐らく現状、中小規模のSNSが林立するような状況では、官公庁や企業などがどこにアカウントを作ればよいのか決められないのかも知れません。

 まあだからこそ、現状ではFediverse(MastodonCalckey等)で自社サーバを立ち上げてそこから情報発信するのが最適解だと、自分は何度も申し上げておりますが。この方法は、運営にすべての責任が被さる代わりに最も運用の柔軟性が高い手段であり、ある程度スキルのある技術者もしくは対応のしっかりしたホスティングサービスを確保出来れば、長い目で見れば最も安上がりだと思います。

 とはいえ、技術者を雇ったりホスティングサービスを使ったりするのは当然ながらコストになるわけで、これまで無料でTwitterを利用出来ていた企業が二の足を踏むのも仕方がないのかも知れません。

今は移行期間と考え、複数のSNSに手を出して様子を見るべきか?

 何度も申し上げておりますように、私は既にMastodonで複数のサーバを運用しており、他人様のサーバを含め複数箇所にアカウントを設置しております。

 しかし、これまでの経験上、Twitterでこれまでやりとりしていた人はMastodonには興味を持ってくれなさそうですので、Twitter騒動のさなか、今年に入ってから自分もほかのSNSにアカウントを持つことにしました。

 私の玄関サイトである「Telmina.com」の「自己紹介」では、Mastodonのほか、次のSNSのアカウントについても紹介しております。

 さらに、「自己紹介」のページにはまだ反映出来ておりませんが、「Nostr」にも一応アカウント登録しました。

 なお、冒頭で述べたとおり、Threadsに対しては全く歓迎しておりません。メタ社のやり方、特に個人情報の扱いには全く信頼を置くことが出来ず、自分の情報がどのように悪用されるのか全くわかったものではないためです。そのため、私はThreadsにだけは絶対に参加しません。

 それでも、Mastodon以外に既に4カ所のSNSに新たに登録しております。

 残念ながら各サービスの各アカウントに対しまんべんなく参加出来ているといった状況ではないため、各SNSの勢いや運営方針についてもまだ見えておりません。個人的には、BlueskyがポストTwitterの本命なのではとにらんでおりますが、それでさえも、たまたま自分がMastodon以外で最も参加しているSNSがそこだからそう感じているだけかも知れません。

今後、官公庁や企業などはどこを情報発信拠点とするか?

 しつこいようですが、個人的には、官公庁や企業こそMastodonで自前のサーバを立ててそこから情報発信すべきだと思います。

 特に、営利企業ではない官公庁にとっては、あえてマネタイズしにくかったり拡散力が抑えられていたりする設計思想のMastodonとの相性は、決して悪くはないのではと思います。少なくとも、国外企業のサービスに依存(しかもただ乗り)する体制は、早急に改めるべきだと思います。

 問題は宣伝効果が重要な企業サイトです。2017年に日本でもMastodonブームが始まってからまだ日が浅かったときには、日本でもいくつもの企業がMastodonに名乗りを上げたのですが、期待したほどのメリットがなかったのか、ほとんどの企業はMastodonから撤退しています。ただ、今でもMastodonのアカウントを保持していたり自社サーバを設置したりしている日本企業もないわけではありません。

 とはいえ、Mastodonはあえて投稿が拡散されにくい設計思想となっています。そのため、企業としてはMastodon以外、かつTwitterライクなサービスを欲するのでしょう。しかしどこが本命なのかはまだ見えてきません(一応、Threadsが現状ぶっちぎりで最もユーザ数が多いようですが、スパムアカウントなども大量に発生したという話を聞きますし、タイムラインも純粋な時系列ではなく、インフルエンサーなどの発言が優先的に表示されるようですので、拡散力という点では疑問符が付くようですが…)。

 なお、Threads以外の新興SNSでは、Bluesky岩波書店の公式アカウントがあったりします。私の観測範囲では、岩波書店以外に新興SNSに公式アカウントがあるのかどうかについてはわかりませんが、特に不当な理由でTwitterから追放されたところこそ、新興SNSにアカウントを立てるべきだと思います。まあ個人的にはMastodonで自社サーバを立ててくれるのが最も好都合なんですけどね!

 とはいえ、様子見しているといつまで経っても居場所を決められないと思いますので、思い切って複数のSNSに同時並行的に情報を発信するというのはありだと思います。担当者としては手間だとは思いますが…。

ポストTwitterはどこか?

 先述の通り、個人的には、BlueskyがポストTwitterの本命なのではとにらんでおりますが、あくまでも私の主観かつ願望に過ぎません。

 ただ、自分が今年に入ってから参加を始めたSNSの中ではBlueskyが(招待コードさえ入手出来れば)最も入りやすく、かつ最もTwitterライクなユーザインタフェイスを持っていると思います。

 そういえば、Bluesky上で、Mastodonは最初のサーバ選びが大変だという話を読みましたが、残念ながらこれは事実です。公式の「joinmastodon.org」ではそもそもサーバの掲載条件が厳しく、日本語圏のサーバは数えるほどしか登録されていません。しかも、特に日本語圏では大規模サーバほど風紀が悪く、問題のある投稿を通報しても全く対処されないところすらある始末。そういうところがMastodon全体の印象を下げているのですが、当事者にその意識が全くないのがまた致命的です。

 Blueskyも、採用しているプロトコルである「AT Protocol」は分散化も可能な作りになっているようですが、今のところ入口はBluesky Socialのみ(たぶん)のため、サーバ選びで迷うことはありません。そういう意味では「Nostr」もとっつきにくいんですよね。個人的にはMastodonよりもさらにとっつきにくかったです…。

 自分はBlueskyをポストTwitterの本命と考えていますが、読者諸氏はどこが本命だと思いますか? これ、企業の利用なども考えると途端に難しい問いになるとは思いますが…。

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