世情を反映したダイヤ改正

昨日、JRをはじめとする鉄道各社から、来春のダイヤ改正について発表されました。

 このところ鉄道を利用する機会が激減している自分にとってはあまり影響ないとは言え、鉄道趣味者の端くれとしては興味がありますので、とりあえず自分にとって最も身近なJR東日本の発表を読んでおりましたが、良くも悪くも世情を反映したダイヤ改正だというのが率直な感想です。

 新型コロナウイルスの影響による減便については前もって発表されていたので、それについては大した驚きではありませんでしたが、個人的に特に印象的だったのが次の3点。


成田エクスプレス千葉停車拡大

 成田エクスプレスが設定された1991年当時、私はまだ千葉県内に住んでおりましたが、それのせいでただでさえ利便性の悪い総武快速が余計に悪くなるわ、房総特急が千葉を経由しなくなるわ(現状の房総特急衰退、特にさざなみの事実上の廃止の種はこの時点で既に蒔かれていた)、しかも当初成田エクスプレスは全列車千葉通過で、千葉県民にとっては害悪以外の何物でもなかったわで、この列車に対しては極めて悪印象を抱いておりました。

 その後、朝夕の通勤時間帯に一部の成田エクスプレスが千葉や四街道(!)、成田にも停車するようになりました。さらにその後、佐倉に停車する便も登場しました。しかしそれらはいずれも通勤時間帯であり、空港利用者向けには早すぎたり遅すぎたりする時間帯でした。

 今回の千葉停車拡大は日中時間帯が中心であり、これを見ても、成田空港利用者が減っているということを実感させられます。

内房線、外房線から京葉線に直通する通勤快速各2本のうち1本を各駅停車化

 なぜ私がこんなどマイナーな路線のことを気にかけているのかと言いますと、先述の通り自分が元千葉県民で、当時は内房線の沿線に住んでいたためです。

 内房線や外房線から京葉線に直通する通勤快速が設定されたのは1990年の京葉線東京乗り入れ開始の時です。その時点でまだ10代半ばだった私は、「こんなど田舎に(当時)最新鋭の205系がやってきた」と歓喜していたものです(ぉぃ)。特に通勤快速は、木更津から東京まで約1時間ほどで結び、房総半島周辺を東京のベッドタウンに押し上げました。

 とはいえ、京葉線の通勤快速は、トイレも無いのに蘇我から京葉線に乗り入れると八丁堀まで停車せず、当初は40分ほど、その後通過設備の設置等で時間短縮するも、それでも30分程度ドアが開きませんでした(現在は新木場にも停車)。そのため、うっかり蘇我発車後に体調を崩したときはつらかったです。

 京葉線の通勤快速は長らく房総方面の通勤客にとってなくてはならない存在であり続けているのですが、それでも直通こそ継続するとは言え1本を(京葉線内含め)各駅停車化してしまうということは、コロナ禍の影響で通勤客が減っているのではと思わせるのに十分すぎる内容です。

磐越西線の快速あがの廃止

 個人的にはこれも地味にショック。

 コロナ禍が始まった2020年以降は実現できていませんが、それ以前は、私はほぼ毎年夏のお盆時期になると、(自分自身のではなく)母親の実家のある新潟県に行っていました。

 下の快速あがの(新潟行き)は、母親の実家から帰京するときにちょうどいい時間帯に設定されていて、自分も何度か利用していたのですが、残念ながらこの列車も廃止対象です。しかも、一部区間では救済措置として近い時間帯に普通列車が設定されるのですが、母親の実家の最寄駅はその対象外です。

 なお、快速あがのはかつて国鉄時代に存在していた急行列車がルーツなのですが、磐越西線の郡山側の電化区間に設定されていて、同じく急行列車がルーツであった快速「ばんだい」もいつの間にかなくなっており、今回「あがの」もなくなってしまうことで、かつての幹線路線の名残がまた一つ消えてゆきます。

 このまま、路線そのものの縮小や廃止に繋がってしまわないのかという不安を、払拭できません。

 これから先、この国の鉄道はどうなってしまうのでしょうか…。

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