#東京五輪の中止を求めます (その2)

東京五輪絡みでは、昨今(少なくとも開催を望んでいる人にとっては)あまりよくないニュースが続いています。著名人の聖火リレー参加辞退なども時々報じられていますし。

 しかし、昨日はある意味それよりもさらにインパクトの強いニュースがありました。

 まず見出しの時点で驚きました。「保守的」な地域で体制との親和性の高い千葉県ですらこんな状況なのか、と。

 しかし、記事の中身を読み進めると、そんな単純な話ではありませんでした。


 まず冒頭ではこのように述べられています。

海外からの観客受け入れ断念の影響が大きいとみられる。

 海外からも東京五輪批判の声が高まっていますが、おそらく海外の方が日本国内よりも日本国内におけるコロナ禍の現状については正しく報じられていると思われます。観客だけでなく選手団の事前合宿中止の話もありますしね。

感染拡大や大会の1年延期による生活環境の変化、海外からの観客受け入れ断念などを理由に挙げる人が多かった。組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言を理由に辞退した人は16人いた。

 感染拡大を心配するのは当然すぎるほど当然。そもそもワクチンの接種がいつになるのかすらわからないのですから、心配するなと言うほうが無理です。

 生活環境の変化については、ボランティアに応募した当時は予想だにできていなかったと思いますが、昨年から自粛という名の私権制限が続いている現状においては、自分の生活を犠牲にしてまでボランディアに参加するのは無理という人が出てきても少しもおかしくありません。

 また、森前会長の発言はオリンピック憲章とも相容れないものです。例えば、「オリンピズムの根本原則」の第4項では次のように述べられています。

スポーツをすることは人権の 1 つである。 すべての個人はいかなる種類の差別も受けることなく、オリンピック精神に基づき、スポーツをする機会を与えられなければならない。 オリンピック精神においては友情、 連帯、 フェアプレーの精神とともに相互理解が求められる。

 森氏の件に限らず、組織委員会そのものがオリンピック精神を知らないように思えるの、気のせいでしょうか?

成田空港では、海外からの観客受け入れ断念によってボランティアの活動量の減少が予想される。

 成田空港は浦安市と並んでとりやめ率の高いところですが、成田空港に限った取りやめの理由の内訳については、記事からはわかりません。とはいえ、単純に海外からの観客受け容れ断念が直接的な原因というわけではなく、前段で述べられているような理由がやはり大きいのではと思われます。

「参加するということはつまり開催賛成ということ。今は大会開催に積極的に賛成できない」

 記事の後半では、どうやら特定のひとりの人物に焦点を当てているようです。ただ、それでも辞退の理由やそこに至る背景は単純なものではないようです。この方は、当初は開催を楽しみにしていてボランディア活動にも積極的に取り組んでいたものの、

感染が拡大し、医療現場の苦労や外国の選手団の事前合宿中止などをニュースで見て考えが変わった

とのこと。

 さらに、この方はワクチン接種がいつになるかわからないことにも触れ、

ボランティアに参加して感染したらという不安もあるし、周囲にも迷惑をかける。

として辞退に踏み切ったとのことです。

 もし、ボランディアに参加していたことによりコロナに感染したとしても、これまでの経緯から考えて、まず間違いなく誰も責任をとらないと思います。なので、己の身を守るためには、ボランディアを辞退するしかありません。これは若い世代の人にも当てはまります。変異株と呼ばれているものは若い世代にも猛威を振るっているとのことですし。

 そう言えば、医療現場の苦労といえば、少し前に、病院の窓に五輪中止を訴えるメッセージが貼り出されていることが報じられました。ただでさえコロナ禍で医療現場が大変なときに、医療従事者を五輪でタダ働きさせるなど、普通に考えたって無理です。

 五輪ボランディア、コロナ禍のずっと前から問題視されていましたが、コロナ禍によって、「やりたい人が好きでやっているんだからいいじゃないか」という話ではなくなってきました。ここまで来たら、スポンサーからは大量にお金を取っておきながらタダ働きボランディアに依存する大会運営は、もはや無理です。

 コロナ蔓延の深刻化を抑制すべきという点からも、改めて、 #東京五輪の中止を求めます

#2021年 #2021年5月 #2021年5月20日 #東京五輪の中止を求めます #政治 #新型コロナウイルス #東京五輪 #ボランディア