Blueskyは早く招待制から脱するべきなのか?

ついに8月になってしまいました。

 にもかかわらず、私はまだ夏季休暇の計画をはっきりとは立てられていません。

 どうにかして10連休を確保したいのですが、それが可能になるのかどうかについては今週の頑張り次第となります。

 閑話休題。昨秋Twitterが資産家に買収されて以来、自滅への道をひた走り、ついに信頼と実績の証であったTwitterというブランドそのものを捨て去ってしまいましたが、その一連の騒動により新興のSNSが次々と誕生するに至っています。

 そのなかの一つに、Twitterの元CEOが関与している「Bluesky」というサービスがあります。Blueskyは現時点でまだβテスト版扱い、かつ完全招待制であるとはいえ、それでも日本語圏のユーザを含む多数の方が参加しています。全ユーザ数は既に40万を超えているとか。

 昨日、Blueskyはいつまで招待制を採用し続けるのかという他の方の発言を引用する形で、Blueskyの招待制に関する個人的な考えを投稿したところ、約半日間で46回のRepost、79回のLikesを獲得いたしました。

Blueskyの招待制解除は慎重であるべきだ。

 Blueskyユーザ様であれば実際の投稿文にもアクセス出来ると思います。

 普段自分はいわゆるバズりにはまるっきり興味が無く、今回の投稿もバズ狙いではなかったのですが、意外にも多数の反響をいただきましたので、改めてこちらでもBlueskyをはじめとするSNSの招待制に関する個人的な考えを展開したいと思います。


まず、Blueskyの招待制解除は慎重であるべきだ。

 結論から申し上げますと、自分は、Blueskyの招待制解除は慎重であるべき、少なくとも今やるべきではないと考えています。

 当該投稿で述べたように、次の点が理由です。

 Blueskyに限らず、今年に入ってから登場したSNSについては、軒並み、これまでのTwitterを完全に代替出来る機能が完全にはサポートされていません。特にBlueskyでは、先述の鍵アカ設定も投稿公開範囲設定も出来ず、また、いわゆるダイレクトメッセージの機能も実装されていません。そもそも現在Blueskyはあくまでβ版で、「本番」ではありません。それ故の完全招待制のはずです。

 また、私の投稿では前半部分で述べたことですが、そのような状態のまま招待制だけ解除されようものならば、すぐに悪意のある連中(それこそ業者とかスパマーとか、極端な思想信条の持ち主で他者を罵倒せずには生きていられない連中とか)が大挙することも目に見えています。

 自分の観測範囲では、Blueskyのユーザの大半は、初期(2009年夏頃まで)のTwitterの穏やかな雰囲気を求めているのだと思います。残念ながら一部そうでないのもいるようですが(Bluesky内で人種差別問題が発生し、その原因となったアカウントは最終的に解除された)、大半のユーザは、たとえ確固たる政治思想の持ち主であるとしてもあえてそれを表立って表明していないようです。ただ、言動の端々に左派的、リベラル的な思想がにじみ出ている人も少なくありません(もちろん右派的なのもいますが)。ただ、あからさまに思想信条を表明してしまうとTwitterと変わらない状況を招きかねませんので、あえて慎重になっている節があります。自分もそうです。

 ひどく個人的には、政治的な話をしたい人こそ、分散型SNSの草分け的存在である「Mastodon」を利用すべきです。しつこくて申し訳ありませんが、私自身もリベラル(自由主義者)向けコミュニティ「LIBERA TOKYO」を運営していますし、昨今ではそれ以外のMastodon日本語圏でも、政治思想をテーマとするコミュニティが増えています。

 あくまで現在のBlueskyは、Mastodonのような「本番運用」ではありません。そのことも踏まえて慎重に利用すべきなのです。

ほかの新興SNSは?

 現在私が参加しているだけでも、今年に入ってから登場したSNSには次のようなものがあります。

 個人的には、「Nostr」についてはいまだにどんなものなのかまるで理解出来ていませんが(それどころか登録早々有害アカウントに捕捉されて使う気が失せてしまった)、それ以外の3つのSNSについては、いずれも現在開発段階で、完成形ではありません。

 うち、BlueskyT2では招待制を採用していて、参加するためには招待コードを受け取るか、ウェイティングリストに登録して招待されるのを待つ必要があります。

 本稿執筆時点で、「Nostr」以外の3カ所については、実装状況は次のとおりと解釈しております(万が一間違っておりましたら、各SNSのアカウントでご指摘願います)。

Bluesky T2 タイッツー
招待制 YES YES NO
UIの日本語表記 × ×
ユーザ認証 ◎(保有ドメイン指定) ○(認証バッジ;有料) ×(初期に登録したユーザには認証バッジが付与されていた)
投稿 Post Post タイーツ
投稿時の言語指定変更 × ×
投稿の公開範囲指定 × × △(ひっそりモード、センシティブ設定あり)
再投稿 Repost Repost リタイーツ
引用 Quote Post Quote ×
ふぁぼ Like Like いいね
鍵アカ × ×
DM × ×
画像添付 ×
リスト △(Feed) × ×
ミュート × △(上限200アカウント)
ブロック △(上限200アカウント)
通報 ×

 これだけ見ても、まだいずれのSNSもTwitterの代替とはなり得ません。

 とはいえ、(ここに明記しなかったものも含め)Twitterにはなかった新たなアプローチを試みているところもあります。Blueskyでは、Feedという公開リストのような機能がありますし、タイッツーでは投稿ごとに、ひっそりモードやセンシティブ設定が可能になっています。

 今後、これらのSNSが古き良き時代のTwitterに近づいてゆくのか、それともTwitterとは別の進化をたどるのか、まだまだ当分様子見しなければなりませんが、その見極めのためにも、複数のSNSに登録して使い勝手などをじっくり検証したいところです。

 それにしても、現状ではまだどのSNSも、悪意あるユーザへの対抗手段が貧弱です。冒頭で述べたことの繰り返しになりますが、せめて非公開アカウントの設定か投稿ごとの公開範囲指定のいずれかを実装するまでは、不特定多数へのユーザ登録を許可すべきではありません。

 確かに多数のユーザへの登録を認めれば、特にBlueskyであれば確実にユーザ数は激増します。しかし、それによりまず間違いなく悪意あるユーザが流入して治安が悪化しますし、また、決して大資本というわけではないこれらの新興SNSが、Twitterに匹敵するユーザ数に耐えられるのかどうかという不安もあります。

 なお、Blueskyで採用されている「AT Protocol」では、Mastodonなどが採用しているプロトコル「ActivityPub」のように分散型SNSの構築も可能な作りになっているとのこと。今後、Mastodonのようにいわゆるお一人様サーバや極小規模サーバの設置も可能になるのであれば、オレオレTwitterを立ち上げたい人にとっては朗報でしょうね。SNSの未来は決して暗くはないのだと信じたいです。

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